父は
今日は父の手伝いをした。
正確に言えば父の友達の手伝い。
被災した。父の友達は被災した。古い一軒家の小さなベットの上。
愛犬とたった1人で過ごしたあの夜は一体どんな気持ちだったのだろう。
雨水が床下から寝室にまで入り込み、なす術がなく途方に暮れたあの夜は。
2019年10月13日僕らは未曾有の大洪水を経験した。
僕らはこの日を忘れない。
今日という日を忘れない。
きっと名前も知らない大勢の人たちが
ただひたむきに汗を流した今日という1日を。
雨の中共に励まし合い共に力強く生きた美しい1日を。
明日が僕の手に届くならこの先どんなに辛く悲しい1日が待っていようとも
きっと父はまた「いい経験をしたな」と言ってくれるに違いないだろう。