『ゼロトレ』石村友見

T-Bookはとうとう第6回目になりました。

意外とあっという間でしたね。


今回はちょっと方向性を変えて最近流行りのダイエット本、『ゼロトレ』の感想を書いてみたいと思います。

 

といっても僕自身ダイエットの経験はありませんが、周りの話を聞くとなんだか大変そうですよね。計算された食生活から日々の運動、慣れない生活習慣から抱える過度なストレスなど、、、

 

こうしたネガティブな想像が増えるのは僕だけでしょうか。

 

なにはともあれ「自分の目標に向かって努力する」

この態度と姿勢には僕の心揺さぶる特別な何かがあるような気がします。

 

最近では少しマイナーですが芸人のガリガリガリクソンが驚愕のダイエットを成功させましたね。
芸人としてのネタは正直全然ハマりませんでしたが、今回のは個人的にビックニュースでした。

 

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他にも「秒速で一億円稼ぐ男」として知られる投資家の与沢翼氏が著書『ブチ抜く力』で独自のトレーニング論を展開していました。与沢氏のストイックさや失敗を細かく分析し常に高い目標を掲げ結果にコミットしようとする生き方にはいつも驚かされます。

 

少し話はズレましたが、本作品が提案する特筆すべき内容は、ライザップに代表される過度な食事制限やトレーニングなどとは無縁なことで、ストレッチなどから首や腰といった身体の部位を本来あるべき場所(ゼロポジション)に戻すことからスタイルアップを目指すことにあります。

 

つまり最近座ってばかりの生活に違和感を感じ、姿勢の改善を目指している僕のような方々は特にオススメの内容になっています。姿勢の悪さは呼吸器官にも影響を与えるらしく、本作品で紹介される最初のステップ(3秒の鼻呼吸+7秒の口呼吸)はある意味地獄のようでした。

 

本来であれば石村氏が推奨する4週間のトレーニングを終えた後に、ある程度の満足感を持って感想を書き始めるのが一般的ではありますが、今回はそれをすっ飛ばしちゃいました。

 

最後に、石村氏の考案したこの「ゼロトレ」。
名前には氏の特別な思いが込められているようです。

 

石村氏は20代の頃から知る人ぞ知るあの「劇団四季」に所属していました。


出演作「ライオンキング」では女王サラビ役に抜擢されるほど。


後にブロードウェイの舞台を夢見てニューヨークに飛び立ちます。

 

しかし2000を超えるオーディションに応募するもことごとく落選。
失意のどん底を経験しました。

 

当時を振り返る彼女の言葉には「ゼロ」に込められた大切な思いが感じられます。


以下は本作品の引用です。

 

「私は、ブロードウェイの舞台を目指してニューヨークに来たばかりのころ、オーディションで役をとるため、外国人のフリをしたり、しゃべり方をまねしたりしていました。オーディションに通過する9頭身の女優やモデルたちを羨み、妬み、無理なダイエットをして彼女たちの体形に近づけようと必死でした。
結局、私は「ほかの誰か」になろうとしていたのです。私ではない、ほかの誰か。
でも、そうなろうとすればするほど、心の闇は深くなり、満たされず、さらに空虚になっていきました。
しかし、自分の心の中を「内観」できるようになってから、自身を知り、ダメな自分もまるごと受け入れることで、20年間失敗し続けてきたダイエットを終わらせることができました。自分の「ゼロ」を見つけ、受け入れ、それを磨いていく。その先にしか、「自分」はいないのだと気づきました。」

 

この「ゼロトレ」には自分自身と向き合い続けた石村氏の苦悩と努力が滲み出ているようです。

 

「ゼロ」それはこの世で最も小さい数でありながら、人生を最も豊かにする大切なヒントなのかもしれませんね。

 

今回はちょっとホッコリした感じで。


また次回。