『スクラップ・アンド・ビルド』羽田圭介
T-Book第2回目となりました。今回は羽田圭介さんの『スクラップ・アンド・ビルド』です。
こちらは第153回芥川賞受賞作になっています。全121ページと比較的読みやすく、『ゆるく考える』で大分体力を削られたので良い息抜きになりました。
とはいえ本作品は全体的に暗いストーリーです。一言でいうと辛く尊厳死に向かう生々しい介護の現場ってとこでしょうか。
親と子。それはどの時代でも、普遍的で絶対的な関係性である。そう信じ続けていた自分の心が揺らいだのは、親子の在り方に対する自分の考えが浅はかだったからなのかもしれません。
中でも特に衝撃的だったのは、「お前邪魔だから!」「わがまま言うな!」といった耳を塞ぎたくなる言葉が子から親へ躊躇なく放たれたこと、それに対して怯えるように、また時に申し訳なさそうに「すみません」「ごめんなさい」としきりに謝る親子の姿でした。
ちなみにみなさんは次のうちどれに該当しますか?
①「邪魔だ」と言われて「自分は邪魔な存在なんだ」と感じる人間。
②「邪魔だ」と言われて「それはきっと冗談で言ってるのだ」と開き直れる人間。
③「邪魔だ」と言われて「うわぁ、、、嫌味な奴」と感じる人間。
④ その他
僕は④(ガン無視)です。というのは置いといて、、、今ふと感じたことですが。
もしも自分の言葉の意味を本当の意味で理解しているのが自分だけだとしたら、
僕達の他者に伝える言葉にはそもそも「どんな意味や価値がある」のでしょうか。
これはあれですね。確かある時○指定が言ってた「自分の言葉がブーメランみたいに自分に返ってくる」的なあれ、、、
そして最後に
もしも僕達の言葉を文字通り受け取ってしまう人間がいたら彼らは想像力が乏しいですか?
逆に言葉を文字通り受け取らない(言外の意味を捉えようとする)態度は彼らの過度な想像力が原因ですか?
これは意見が分かれそうです。
僕もみなさんと一緒にぜひ考えてみたいと思います。
ではまた次回。