志を立てよ

私たちは今まで当たり前のように生きてきた。

時に悩み、時に笑い、時に苦しみ、時に喜ぶ自分なりの人生を。

 


人間は時に成長することを望む。

自分なりの考え、行動、経験から新たな目標や志を立てることで

それぞれがそれぞれの山へと歩いていく。

 


多様性の時代にはこの山がとかく輝いて見えるものだ。

唯一の存在であること、個性的であること、他者に対して寛容であること

そのような社会はおそらく豊かであろう。幸福であろう。ある特定の人々にとっては。

 


見渡せば

あらゆる山にはかつて山道があった。

吉田松陰はいう。

 


「山道は人が通ることですぐにできる 。しかし 、人が通らないとすぐに草木が生えてきて、道はなくなる 。人の心もまったく同じである 。だから 、大事なことを日々学び 、実践しなくてはならない 。」

 


わたしたちは先人たちが通ってきた道を遂に身失おうとしている。

無事に自分の山を登頂できた者もいれば、途中で迷子になる者もいる。

 


ああ今日も弱肉強食、自己責任。

多様性の山に世間の冷たい風が吹く。

 


格差が広がり停滞する現代。

わたしたちは遂に志を立てることすら止めてしまうのだろうか。

 


自らの欲望に従うまま

欲望が渦巻く社会に身を投じる。

 


わたしたちは、人間は

遂に人間を忘れてしまうのではないだろうか。

 


私たちは今まで当たり前のように生きてきた。

時に悩み、時に笑い、時に苦しみ、時に喜ぶ自分なりの人生を。

 


わたしたちは変わらなければならない。

志を立て、今を生きるのだ。